会社倒産までの苦闘と地獄ロード~そして再起へ

倒産までの経緯~その後に大変な地獄が待っていました。当時乗り越えた知恵とノウハウを苦しんでいる方に。

忍び寄る異変3

取引先にも少しずつ異変が現れ始めたのもこの頃です。


一番の痛手が大手取引先が最大手に吸収合併されたことに伴い、納入業者の見直しと
取引品目の選定が行われました。


これまで、小社の取引は価格競争には無縁に近く、大手取引先にも割と強気な価格で
納入していたのですが、これまでの経緯など全く関係なく


①最安価であること ②大量納入できること ③返品対応できること


以上のように、業者側リスクが大変大きいことを飲めるか否かの判断でした。


結果、4か月程は取引継続させていただきましたが、利益をほとんど出せない為に
小社から取引をお断りさせていただくことになりました。


こうして小社においての全体売上30%を占める取引先を失うことになります。

忍び寄る異変2

設備導入してから少しずつ異変が露呈してきました。
前回に続き詳細に説明します。


①人力から機械作業となり、効率が良くなる反面で製品の持つ繊細さなどが失われ、
 本来、自分の求めているものとは感覚的にズレてきた。


②社内的に技術的な追求よりも効率重視(作業時間短縮など)の姿勢が際立ってきた。


③営業開拓に突き進む一方で、支払い状況が芳しくない顧客が増え、イレギュラーな
 業務が増加。そのような顧客の加入離脱など取引先の出入が多くなった。


④技術者を育ててこなかったツケが回り、留守部隊に専門知識を持つ従業員が
 あまりにも少なく技術対応に手間取ることが増えた。


⑤上記のような状況もあり、売上が頭打ちになり増えては減るを繰り返した。


何より精神的に落ち着かず、
少しずつ会社の雰囲気もギクシャクしたものになっていきました。

設備効果と忍び寄る異変

機械を導入し工場を拡大することで、今までの処理能力とは雲泥の差でありました。


極端な話、1人で1時間かかっていた作業が機械なら3分で行ってしまいました。
これにより人手が余る状況に・・・。


色々な方策はあるのでしょうが、人手を遊ばせない為に更なる新規取引先の開拓に
走ります。これが完全な方向違いであった事は後々気が付きます。


何が何でも顧客獲得に走りますので、
①お支払いを含めた顧客の質がそれなりに落ちてきます。
②技術力勝負であった創業理念が売上至上へとズレてきます。


特に一番大切な従業員のモチベーションが、社長である私自身の売上主義によって
下がっている感覚が伝わってきていました。


鶏と卵の理論ではありませんが、創業社長ゆえに一日も早く売上規模を安定させてから、
人材育成や会社作りに取り掛かろうと考えていたのです。